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Governmental accountingで出てくるBudgetary Accounting、「理解」するのに苦労しました。AppropriationsとEncumbrancesってどう違うのか?とか、なぜ、DebitとCreditが逆になるのか?など・・・
初めは「そういうもの」と腹をくくって覚えようとしましたが、それではやはり記憶が定着するはずもなく、問題を解くだけの力はつきませんでした。
最終的に、下記のように考えて、ようやく、腹にはいった感じです。

さて、正しい理解かどうかはさておき、下記に私のノートの抜粋を記録しておきたいと思います。

予算会計の始まりは、議会で予算が可決されるところから始まります。
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上記はつまり、
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まず、ここで「なんで?」と思ってしまうんですよね。Dr. とCr.が、FARでやった財務会計の仕分け 仕訳 と逆ですよね~。

この仕分け 仕訳 、期末には反対勘定をおこして、全部消しちゃいます。
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上記の仕分け 仕訳 が、冒頭の期初の仕分け 仕訳 と真逆なので、各勘定科目が互いに相殺しあって消えていくわけです。

これがヒントになって、少しわかりました。結局期末に消してしまうということは、上記の予算可決時の予算会計の仕分け 仕訳 は、取引の記録として残すものではなく、期中に支出のボリュームを測る目安として使うに過ぎないものだということが。

ボリュームを測る目安として、「秤」という道具があります。小学校の理科の実験で分銅を使って、薬品の量とか測ったあれです。
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この秤を使って、予算会計の流れをみてみましょう。

ここでは、支出の部分に着目することにします。(考え方は、他の勘定科目も似たようなものだと思います)

さて、期初の予算可決によって、今期は480だけ支出してもいいことになりました。
この上限480の分銅を秤に載せます。
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さて、市役所でパソコンを買うことになりました。業者に見積もりをお願いしたら、「LANの工事とかなんやかんやも含めて400でやります」という見積書が送られてきました。

さて、400使うと、予算対比どれくらいかな、と思い、分銅を反対側に載せます。
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まだ、80も余裕があるし、400の見積もりは大丈夫だな、ということになり、発注しました。発注した段階で、Encumbrances Controlの仕分け 仕訳 を上記のように行います。

1週間後、PCが運び込まれて接続され、無事LANの工事も終わりました。
作業が効率的に進んだので、見積もりは400でしたが、実際の請求額は380に減りました。
見積もりはあくまでも見積もりなので、どうしても実際の額とは、ズレてくるものです。

さて、こうして、実際の請求額は380に落ち着いたので、さっきの分銅の置き換え(仕分け 仕訳 の整理)を行う必要があります。
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こうして、見積額と請求額の差が生じることがよくあるので、いきなりExpenditures Controlの分銅を載せずに、まずは、仮に、Encumbrances の分銅をおいておくんですね。
そして、請求額(実際の支出額)が確定したら、置き換える、というわけです。
この段階で、ExpenditureがDr.(借方:左側)、A/PがCr.(貸方:右側)となり、FARでやった企業の財務会計と同じ感じになります。あとは、出納係で処理をして、期日に業者に振込みをする、つまり、A/PをDebitして、CashをCreditするという、普通の処理をしていくことになります。

期中は、こんなことを繰り返します。
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さて、期末になりました。冒頭で紹介したとおり、期末には期初の予算仕分け 仕訳 の反対仕分け 仕訳 を行って、結局、消しちゃいます。

今、私たちは、支出の項目(下記青字)に注目しているわけですが、これも、下記のとおり、期初と反対の仕分け 仕訳 をすることで、結局消えてしまいます。
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つまり、さっきの秤から、予算の分銅を降ろしてしまうというわけです。
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もともと、青の予算分銅(Appropriations Control)を載せていた理由は、赤の支出分銅(Expenditures)が期初に可決された予算額をオーバーしないよう、赤の支出分銅の重さ(金額)を測るために載せられていたものです。期末になって、支出額が450で確定し、無事、予算内に収まったことを確認できた時点で、青分銅の役目はなくなるわけですね。

結局、支出項目の仕分け 仕訳 で残ったのは、下記だけということになります。
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これでFARでやったのとおんなじになりました。

予算会計って、初めは、なんでこんなんするんだー、意味がわからない~と思いましたが、結局、予算の執行状況を、秤でチェックしているだけだったんですね。


ところで、これまで見たとおり、Encumbrances Control は、請求書が来た段階で、結局反対仕分け 仕訳 をして消してしまったわけですが、じゃあ、それって、期初の予算仕分け 仕訳 Appropriations Controlと同じやん、と僕は思ってしまったのです。どちらも消える運命なのだから・・・。

でも、よく考えたら、ひとつ、違いがありました。
Appropriations Controlの方は、期末になったら絶対に反対仕分け 仕訳 を行って消す(青分銅を秤から降ろす)のですが、Encumbrances Controlは、そうとは限りません。
例えば、上記で見たパソコン導入案件、期末の前日になって、1台、発注し忘れていたことが判明して、1台だけ急遽追加発注したとします。
すると、見積書はきて、こちらも、予算内なので即OKで発注するので、Encumbrancesは計上されます。でも、さすがにこの段取りだと、期末に納入は間に合いません。
ということで・・・
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つまり、期末になっても、反対仕分け 仕訳 で消去しない(できない)という事態が、Encumbrancesの方にはありえるわけです。

上記の仕分け 仕訳 ボックスの2つの数字、430と20の意味の違いに注目してみましょう。

430のほうは、まだAPとして残っているので、現金支払いこそ未済ですが、Expendituresの計上をすでに行っているので、予算上は支出が確定し、行われたような状態になっています。つまり、今期予算において、430は支出済、確定ということです。(あとはペンディングのAPを払うだけ)

一方、20のほうですが、これは、まだ見積書の額です。Encumbrancesという茶色分銅の数字、今は20ですが、諸々導入作業が完了して、請求書がきたら15とかになっているかもしれません。まだ、未確定ですね。それゆえ、相手科目(Cr.)サイドで、「Budgetary Fund Balance --- Reserved for Encumbrances」を20おこしているわけです。
これは、B/S上では、右下の、Equityみたいな場所に上がってきます。
つまり、上記仕分け 仕訳 ボックスを叙述すると「今期430は使って、でも支払いはまだやから430はAPとして負債計上し、更に約20の支出が生じる予定なので、資本(という言い方はしませんが)のところに、来期15なり18なりで確定したら支出しないといけない金額として、今期とりあえず20だけは確保しておかないとダメよ」、というふうになるわけです。

こうしてみると、AppropriationsとEncumbrancesって、共に反対仕分け 仕訳 で消えていく運命である二人という意味では似ていますが、その役割や、活躍する時期は違うのだな~と思います。
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by nn_77 | 2006-12-17 14:42 | USCPA (general) | Comments(9)