質問コーナー (Re:売掛金回収期間)
2006年 06月 10日
お便りを頂きましたので紹介します。
>NNさん,こんばんは!
--- 時差がありますね(笑) おはようございます!
>BECの勉強をしています。分からないとこなどあるので、nnさんのブログのBECの箇所を読み返して、理解を深めています!!
--- そうおっしゃっていただけると、嬉しいです。でも、professional skepticismをもってお読みください。間違ってるかもしれませんよー!
>日本語のところもあるので、私にはとてもありがたいです!
--- どうもです。でも、最近、ブログに日本語が増えすぎて、英語欠乏症になりつつあるnnですので、またしばらく英語になるかも。 引き続きご愛顧いただければ幸いです。
>棚卸資産の回転率、ラーメン屋さんの例、かなり納得できました(笑)!!
分かりやすいですホントヽ(^o^)丿
--- Wow. あれも読んでいただけたのですか。ありがとうございます。
m(_ _)m
あれからもう1ヶ月以上経つのか。。。
もう本試験まで50日しかないなぁ。。。
早い!ヤバイ!マズイ!(吉野家の反対の法則)
>そこで、質問なんですが、
>売掛金回収期間(Receivable Collection Period)
>=Average receivables÷Credit sales per day
>となっています。
>どうして、Credit sales per dayなのか、分かりません。。
>receivables collection per dayなら意味はわかるのですが(>_<)
今回のご質問は、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ Credit Sales per day
VS
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ receivables collection per day
ですね!
まず、検証したら、これら2つの計算結果は同じであることが分かりました。
例を考えて見ましょう。
●売掛金回収期間を求める
(売り上げは全て掛売りのA社のデータ)
・年間売り上げ 36,500ドル。
・1日平均売り上げ 100ドル
・平均AR残高 9,000ドル
テキストの公式だと、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ Credit Sales per day
= 9,000 ÷ 100
= 90日
となる、と。 で、ここで、売掛金「回収」期間なんやから、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ receivables collection per day
やんか!とのご意見。
では、こっちの式で考えて見ましょう。
上記の例では、
・年間売り上げ 36,500ドル。
・1日平均売り上げ 100ドル
・平均AR残高 9,000ドル
→「平均」なわけだから、仮に、期初ARも期末ARもたまたま平均値の9,000ドルだったとする。
すると、下記が作れます。
-------------------------------
期初 9,000 |
売上 36,500 | 回収 ?
--------------------------------
期末 9,000
? には、計算すると、$36,500が入りますよね。
--------------------------------
期初 9,000 |
売上 36,500 | 回収 36,500
--------------------------------
期末 9,000
従って、1日あたりのAR回収額は$36,500÷365日=$100
ここで、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ receivables collection per day
を使って考えてみると、
$9,000÷ $100 = 90日
あれ、いっしょ!
。。。ということで、まず、計算としては、どちらでもよさそうです。
しかし、いろんなテキストどれみても、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ receivables collection per day
ではなく、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ Credit Sales per day
を使っています。あえて後者のほうが好まれる理由をいくつか考えてみました。
理由1)発想の問題
「何日で回収できるか」と考えてもいいのですが、ここではむしろ、「ARが何日間outstandingか?」という発想なのだと思います。
ある会社が、全てCredit salesで販売していたら、販売
Account Receivables *** / Sales ***
になりますよね。
さっきの例で、毎日、100ドル売り上げたら、
Day1 Sales=100, AR(累計)=100
Day2 Sales=100, AR(累計)=200
Day3 Sales=100, AR(累計)=300
・
・
・
Day90 Sales=100, AR(累計)=9,000
さて、91日目には、どうなるでしょうか?
Day91 Sales=100, AR(累計)=9,000
あれ、AR(累計)=9,100ではないのか? 違いますよね、Day91には、Day1の売り上げ100が回収されてしまうので、Day91のARの動きは
朝一番の残高 9,000 + その日の売上げ100 -Day1の売上げ
の回収 100
= 9,000
で、これ以降ずーっと9,000となるわけです。
つまり、ARについては、
(1) Sales per dayの額(例=100)だけ毎日増加していき、
(2) Sales per dayの額の90倍に達したら、それ以上増加しない。なぜなら、初日の回収が始まるから。
(3)ゆえに、Sales per dayの何倍の額でARの増加がストップするかを確認すれば、1件1件のARの回収に何日要するのかが分かる仕組みになっている。
ということだと思います。
ここまでで、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ Credit Sales per day
でもいいことが分かりますよね。
理由2) Sales(per day)の方が指標として使い勝手がいい
残る疑問は、なぜ、
Receivable Collection Period
= Average receivables ÷ receivables collection per day
の方が不人気なのかということですね。冒頭で確認したように、こっちでもいいはずなのに。
ここからは完全に私見ですが、
ひとつには、財務分析において、Sales(及びSales per day)が扱いやすいということがあると思います。上記でも、Sales per dayはSales を365で割るだけですぐ算出できましたが、Receivable collection per dayの算出にはワンクッション置きました。 手間がひとつ多かったですよね。また、Salesは、粗利率(gross profit margine)の算出や、経費率など、諸データを出す上で指標に使われやすい数字でもあります。同じ使うなら、receivables collection per dayよりも、Credit Sales per dayのほうが、便利で一般的、というイメージが私にはあります。
それから、Sales per day(あるいは、Purchase per day)にくらべると、 collection per dayという考え方は、感覚的に、商慣習の実体とずれるというのがあるのではないかと思います。 Sales(売上)はセールスマンが日々頑張って営業してあげていますし、Purchase(仕入)も、タイムリーに行って品切れを防ぐことが大事なので、日々、とは言わないまでも、月中にある程度頻繁に起こると思います。これに対し、これら取引きの決済となるcash payment や collection は「月末締め翌月末払い」といった形で、まとまって起こることが多いので、cash collection per dayというのは、managementにとっては、少しピンとこないところがあるのかもしれません。(銀行も25日や月末などの特定日は為替部門がてんてこまいです。)
以上です。今回は、あまり面白くもなく、またスカッとしない回答ですみませんでした。m(_ _)mここらあたりが私の知識の限界かもしれませんね(笑)
Thank you for your question email. Answering it deepend my understanding as well.
Let's keep working for USCPA exam study! See you again. Bye!