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管理会計 (Bar でharryさんから頂いた宿題です;笑)


昨日、大阪の定例会に参加して来ました。
<定例会のレポート ←クリック>

全員参加の2次会。バー(ハードロックカフェみたいなところ)で、外国人たちが酒を飲み交わすなか、引き続き皆さんと交歓しました。
そんな中で、harryさんがおもむろに取り出したAnjoのBECのテキストの問題について、ハーフ&ハーフを片手に「なんでこれはこーなるんや」的議論が始まりました!
2問くらい個別のMCについて議論して、ひとつは攻略できたのですが、もうひとつがだめでした。(攻略できたやつも、標準原価計算がらみだったこと以外は覚えていません。ウィスキー、ロックで2杯飲むと、やっぱり左脳は活動しないんですね;笑)

攻略できなかったほうについては、「ペンディング」ということで、幸い私も同じ問題集を家にもってたものですから、問題番号を手帳にメモして、「後日ご報告申し上げます」ということになりました。(酔った勢いで「報告申し上げます!」なんて叫んで日本兵のごとく敬礼とかしてなかったらいいのですが。。。あまり記憶が定かじゃないですね;笑)

今朝、目が覚めて(もちろん朝3時には起きられませんでした)、ふっと閃きました!
ベッドから飛び起き、机の上でチャートを書いたりして。。。それで、なんとか、腹に入るような解説にしあげることができました。酒を飲んだ翌日は頭がまわるんでしょうか?

その問題がコチラです。
**************************************
“The diagram below depicts a factory overhead flexible budget line DB and standard overhead application line OA. Activity is expressed in machine hours with Point V indicating the standard hours required for the actual output in September 2003. Point S indicates the actual machine hours (inputs) and actual costs in September 2003.”
a0050593_1702496.jpg

Q15: Are the following overhead variances favorable or unfavorable?
Volume (capacity) variance: Favorable or not?
Efficiency Variance: Favorable or not?

Q16: The budgeted variable overhead cost for C machine hour is
a) AB
b) BC
c) AC minus DO
d) BC minus DO

出典:ANJOインターナショナル CPA3受験対策問題集Ⅰ 2005年度(05年4月~06年2月)
**************************************
良く出来た問題だと思います。Wileyで見つけることは出来ませんでしたが、この問題をキチンと理解すると、Flexible Budgetという項目と、Standard Costingという項目についての理解をかなり深めることができると思います。

---<Disclaimer>----------------------------
以下は、私自身の解釈と解説であり、ANJOインターナショナルの解説ではありませんので、あらかじめご了承ください。実際、ANJOのテキストの解説欄の記述と、下記の私の解説は若干アプローチが違うように思います。(私は自分が理解しやすいように、ストーリーを展開している節がありますので、お気をつけください!)また、今回の投稿に際して、ANJOのビデオで当該部分を見ようかと思ったのですが、段ボールをあさる気力がなく、諦めてしまった自分の不甲斐なさを、始めにお詫びするとともに、下記解釈の正当性については、最終、読者の方の自己判断でお願いしますよう、お願い申し上げます。
m(_ _)m
------------------------------------------------------------

この問題、グラフの意味が分かれば、答えはすぐ出ます。なので、グラフの意味を、ひとつずつ解決していきましょう。

まず、LineDBについて。
a0050593_1702496.jpg
実は、LineDBについては、問題文中で”factory overhead flexible budget”とあり、Standard Costingとは全く別概念のものであることを押さえておいてください。
この際に、「Flexible Budget」をおさらいしましょう。
この問題に対応する同年のAnjoテキストをお持ちの方は、CPA3受験対策Ⅰ管理会計 2005年度(05年4月~06年2月)の「第2章 計画、管理、および分析」の2-56ページの「4. 変動予算(Flexible Budget)」を見られたらすぐ分かります。

予算には「Master (Static)Budget」と「Flexible Budget」と2種類があるそうです。
前者は一つの操業水準に基づいて作成されており、後者は操業水準に応じて調整されるようになっています。
乱暴に言うと、「今期は、工場4000時間動かすから、1500ドルかかるぞ。」と予算を立てるのがMaster Budget。 一方、「時間当たりで工場稼動単価を考えたりしたら、そーやなー、まあ、4000時間動かしたら1500ドル、でも2000時間やったら750ドルってなるわな、いや、もし1000時間やったらXXXドルやな。それぞれの場合に備えて予算見積もりしておこう」というのがFlexible Budgetなんだと思います。
私は、会社で営業の現場にいましたが、本部からは毎期、毎月、ノルマがおりてきます。現場サイドでは、本部から日々詰められながら、その数値を達成することを目標に日々走り回ります。これはMaster Budget的な感じですね。その数字をやるっきゃない、みたいな。 でも、本部は、現場にはノルマ達成を叫んでいても、実際には、「まあ、これだけハッパかけても、実際達成できるのは80%か、いや、ひょっとして60%かも。。」なんて算段しながら、達成度に応じた業績予想を(たぶん)していると思います。これって、Flexible Budget的な発想だと思いませんか? 私はこんな類推で覚える癖があります。。。

話をもどします。LineDBですが、下記の図で分かるでしょうか。
a0050593_170459.jpg

横軸のactivity levelは操業時間を、縦軸は操業コスト($)を示しています。
このように、Variable Cost(ピンク)は、操業時間が増えるほど、増加していきます。でも、Fixed Cost (ブルー)は、操業時間に関わらず、たとえそれが0時間であったとしても発生します。工場なら定額法や定率法での減価償却費なんかがこれに該当するでしょうか。借地の工場の土地賃借代と考えてもいいかもしれません。とにかく、なーにもしなくても発生する費用、これがFixed Cost (ブルー)の部分です。(実は、この考え方はStandard Costingとは違います。後述しますが、これが最大のポイントです。)
以上で、Line DBの意味は大丈夫ですね。至極普通の考え方なので、分かりやすいと思います。

さて、次に進む前に、ちょっと、Standard Costing、それも特にFixed OH Costの考え方をおさらいしましょう。
前述の通り、Fixed Costは「固定」費なので、なーんにもしなくても、操業時間0時間でも発生する費用です。しかし、Standard Costingの手法においては、あえて、その固定費をactivity levelに応じて発生するかのように考えます。つまり、先のグラフの、ブルーの部分についても、「4000時間動かしたら1500ドル、でも2000時間やったら750ドルってなるわな、いや、もし1000時間やったらXXXドルやな。」っていう風に考えてしまうのです。下記の図のようなイメージです。
a0050593_171152.jpg

まず、normal hourを設定します。これは、通常頑張ったらこれくらい操業するでしょ、という操業時間です。これを決めたら、固定費をこのnormal hourで割り算する(分子:固定費、分母:normal hour)と、「1時間あたり固定費がいくら生じていることになるのか」が算出できます。「1時間あたりの額($)」なので、グラフで言うと(上の図の右のグラフの)「傾き」に相当します。
まとまって一括で発生する固定費を「1時間あたり」なんかにして考えるって、感覚的には「なんでそんなんするん?1時間でも100時間でもいっしょやのに。」と思いますよね。
経営者はいろんな角度から、自社の数字を分析して、方針を立て、予算を組んでいきます。そんな中で、あくまでも分析や、過去のデータとの比較などに使う為の資料的な数字として、「単位時間あたりの固定費」を仮に考えているだけです。
ですから、資金繰りなんかを検討されるときは、むしろ冒頭で説明したLineDBのFlexible Budgetingなんかで考えているはずです


ここで、問題に戻りましょう。LineOAについては、“standard overhead application“とあります。つまり、さっき説明した、「1時間あたり固定費がいくら生じていることになるのか」的発想のグラフなのです。ただ、ここでは、Fixedとは書いていないので、このLineOAは固定費と変動費の合計を表していることになります。こんな感じでしょうか?
a0050593_1711455.jpg

ピンクは変動費部分、ブルーは固定費部分です。変動費が操業時間に合わせて増えていくのはあたりまえですが、固定費まで同じように考えてしまうところがStandard Costingのユニークなところですね。
これで、LineOAの意味がわかりましたでしょうか? 普段、Anjoのテキストなんかでは、「<」な形をしてでてくるあのグラフ、これを置き換えたものだったんですね。
↓「<」な形をしたグラフ
a0050593_1712511.jpg
上記グラフを書き換えたのがLineOAだったというわけです。
a0050593_1702496.jpg
さあ、ここまでで、LineDB とLineOAの意味がわかりました。
最後に、このLineDB とLineOAの「交点」の意味を考えます。これが分かれば、この問題は解けたも同然です。

DBとOAが交わる点の操業時間(横軸)、それはつまり縦軸を見たときのコスト($)が同じになる操業時間であります。
さて、上記で、Flexible Budgeting(DB)とStandard Costing(OA)、をそれぞれ見てきましたが、この2つの異なる概念がはじき出す数値が唯一同じになる点、ってどこでしょう?
 ↓
それは、normal hourの点です。
もう一度、Flexible BudgetingとStandard Costingのグラフを見くらべながら考えてください。
Flexible Budgeting
a0050593_170459.jpg
Standard Costing(の特に固定費部分)
a0050593_171152.jpg

Standard Costingで考えるLineOA
a0050593_1711455.jpg
これらが一緒になる点ということは。。。
a0050593_1715286.jpg


Standard Costingにおいては、固定費も単位時間あたり少しずつ増えていくように考えています。なので、操業開始当初のうちは、本来生じるFixed Costよりも少ないFixed Costしか発生していないと考えています。それがだんだん増えていくんです。そして、操業時間がnormal hourに達したとき、Standard Costingの世界でも、Flexible Budgetingと同様、固定費は全額100%発生していると考えます。このnormal hourの瞬間だけは、Flexible BudgetingとStandard Costingが同じOHの額をはじきだすんですね。 で、それもつかの間、Standard Costingは、あろうことか(笑)、固定費を単位時間あたりXXXドルずつ増えていく、なんて概念的に捉えているので、normal hourを過ぎると、またどんどん固定費が増えていく計算になっているんです。つまり、実際に払う固定費よりも多く計上してしまうんですね。変なの(笑)

さて、問題にもどりますが、こうして、DBとOAの交点は、normal hourの点であることが分かります。
a0050593_1702496.jpg
冒頭の問題文のグラフのこの交点から横軸に点線をおろしていくと、このnormal hourの時間の点が分かりますよね。そして、この点って、standard hoursの点「V(緑)」より左にきているでしょう?
換言すると、

このグラフが、standard hoursをnormal hoursよりも右に設定しているということになります。



これで、問題の答えもでましたね!
Q15
Volume (capacity) variance: Favorable or not?
→これは、production varianceのことです。ご存知の通り、Fixed OHのproduction varianceは、standard hourをnormal hourよりも右に設定すれば、発生しません。
だから答えは「Favorable」です。(standard hour とactual hourを比べるのではないことに注意しましょう)

「Fixed OHのproduction varianceは、standard hourをnormal hourよりも右に設定すれば、発生しません。」が「何故?」の説明はstandard costing自体の説明に突っ込むことになりますので、ここでは割愛しますが、ご興味のある方は、またご連絡ください。(それよりもテキストを見ていただいたほうが、早くて確実ですね;笑)

Efficiency Variance: Favorable or not?
→これは、unfavorableです。Standard Costing におけるVariable CostのEfficiency Varianceについては、standard hour とactual hourを比べます。(上記との違いに注意)
本門のグラフでは、actual hours:Sのmachine hoursはstandard hours:Vのmachine hoursよりも右に来ています。つまり、standard(標準)対比、時間を掛けてダラダラ仕事しすぎ、ということで、unfavorableになってしまいます。


Q16: The budgeted variable overhead cost for C machine hour is
a) AB
b) BC
c) AC minus DO
d) BC minus DO

→答えは、(d)です。下記のことですね。
a0050593_1721481.jpg


こんなに長いブログをそれも日本語で打ったのは、生まれてはじめてです。
harryさんをはじめ、誰かの勉強の一助に少しでもなればと思いますが、アクセス数平均15のブログでは、利用者も限られてしまいますね(笑)
今日のこのページは、他の誰よりも自分自身のためであったように思います。nn自身にとって、永久保存版の、今日のダイアリーでした。
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by nn_77 | 2006-03-12 17:03 | >BEC


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