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Hello again!


by nn_77
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【Q&A】 Held-to-Maturity Securitiesの会計処理(総合編)

Hello, everyone. Thank you all for subscribing nn的blog to prepare for USCPA exam.
Golden Week is gonna end today. How did you spend the series of holidays? Did you succeed in sparing much time for study? I hope so.
As to me, I've been a kind of lazy couch potato; only ten hours study for the coming exam... I'm ashamed.

For compensation, and in order to review my memory, today I picked out a question shot by kima-san.

Kima-san, thank you for donating such a interesting question!

2007年09月19日の日記「BONDのDISCOUNTの正体」についてです。
この日記記事のなかで、BondのDiscountの償却に関していい問題があり、Q&Aを通して解説を試みていました。 この記事について、今回、kimaさんからご質問を頂戴した運びです。

--- 【Question from kima-san】-----------------------------------------------
nnさん、こんにちは。
この記事を読んでいて、1つ質問があります。よろしくおねがいします!
答えを出す最後のステップで、nnさんが仰る
>購入時の94,000+2800=196,800となります。

という考え方と、私の解き方が少し違っていて、私の考え方に間違えがないか、
教えてください。

まず200KのBondを194K(198500-4500)で手に入れられたから、
Disc発行で、Disc. on BPは6K。

B.P
200K
(6000)
----------
194K

そして、この(6K)のdisc部分が、Amortizeされていく。
つまり、discの数字がどんどん減っていくので、BPの計上価格が
逆にどんどん増加して、200Kに近づいていく。

問題より、10/31までに7ヶ月分のDisc on BPがAmortizeされている。
6000*7/15ヶ月=2800=Amortize済み
よって、6000-2800=3200 これが10/31時点のDisc.on BP。

B.P
200K
(3200)
----------
196800

取得原価に何かを足すという考え方ではなくて、Disc発行なら、
このDisc部分が、だんだん減ってくるという考え方なんです。


kimaさん、ご質問ご投稿有難うございます。

MARGIN : 15PX 20PX 15PX;      
BORDER: 1PX #8080FF DOTTED;">私の解き方が少し違っていて、私の考え方に間違えがないか、教えてください。

計算のロジックは間違いないと思います。私のそれと同じです。

・・・なのですが、そこで終わらないのがnn的blog! ( ̄ー ̄)

なぜ、kimaさんのアプローチと「少し違って」いることになってしまったのか、以下でキチンとご説明差し上げます! ロ-ロ^

「あってるんやからええやん」と言われてしまえばそれまでですが (T▽T)

こうしたささやかな違いをReviewすることで、見逃していた別のポイントなど、復習できるかもしれませんね。

ズバリ、ポイントは「INVESTOR(投資家)」側の視点に立つか、「ISSUER(債券発行者)」側の視点に立つかの違いなのです。

nn的解説はINVESTOR側の目線で行われ、Kimaさんの解法アプローチはIssuerサイドから行われた、というのが違いです。

問題文では、「Saxe, Inc. purchased $200,000・・・」とありますから、これはInvestor側の話なんですね。ということで、nnはINVESTOR側からアプローチしました。

【INVESTOR 】
・投資家は満期に200,000の元本が償還される証券を20X1年4月1日に
194,000で入手した。(注1)
Investment 194,000 / Cash 194,000

・満期償還時には現金ベースで200,000手に入るので、結果的に6,000の利益(Revenue)が得られることになる。
・でも、満期はまだ先なので、この儲けを期間配分してだんだんと認識する。
・満期まで15ヶ月なので、問題文にあるStraight-Line methodを用いると(注2)、1ヶ月あたり
6000÷15=400のRevenueを計上。相手科目はInvestment。
(INVESTORの毎月の仕訳)
Investment 400 / Revenue 200

↑つまり、Investmentは毎月400増えて、最終的には200,000になる。

・問題で問われているのは、20X1年10月のBS上のInvestmentの額。
・購入した20x1年4月から20x1年10月まで7ヶ月経過しているので、
上記の仕訳を7回したはず。
なので、10月末のInvestment残高は194,000 + 400×7=196,800(←こたえ!)
・一気に計算するなら、
6000×7/15=2800
2800+194,000=196,800ですね。
・そうして、このまま満期までInvestmentは毎月400ずつ増えていって、満期の時点では、InvestmentがDr.サイドに200,000計上されています。これが無事満期に償還されると、
Cash 200,000 / Investment 200,000

となり、手元からはInvestmentが無くなって、代わりに現金が200,000入って来る、ということになるわけですね。

さて、本件をISSUERサイドからみてみると、どうなるでしょう?
上記で見た流れの鏡映しを、下記で描写してみます。

【 ISSUER側 】
・発行者は、満期に200,000の元本返済が必要な債権を20X1年4月1日に194,000で発行した。(注1)
ISSUER
Discount 6,000 / Bond Payable 200,000

・満期償還時には現金ベースで200,000支払うので、結果的に6,000の費用が(Expense)が発生、つまりそれだけ損することになる。
・でも、満期はまだ先なので、この損(費用)を期間配分してだんだんと認識する。
・満期まで15ヶ月なので、問題文にあるStraight-Line methodを用いると(注2)、1ヶ月あたり
6000÷15=400のExpenseを計上。相手科目はDiscount on B/P。
(ISSUERの毎月の仕訳)
Expense 400 / Discount 400

↑つまり、Discountは毎月400減り、その分、「B/P-Discount」は毎月400増えて、
最終的には「B/P-Discount」=B/P額面=200,000になる。(注3)

・問題で問われているのは、20X1年10月のBS上のBond Payableの簿価(Book Value)。
つまり、これは、IssuerのBS上の「B/P-Discount」の額である。
・発行した20x1年4月から20x1年10月まで7ヶ月経過しているので、
上記の仕訳を7回したはず。
なので、10月末の「B/P-Discount」は
200,000-{6000 -(400×7)}=196,800 (←こたえ!)
・一気に計算するなら、
200,000-(6000 -6000×7/15 }=196,800 ですね。

・そうして、このまま満期までDiscountは毎月400ずつ減っていって、満期の時点では、Discountがゼロになり、B/PのみがCr.サイドに200,000計上されています。これが無事満期に償還できれば
Bond Payable 200,000 / Cash 200,000

となり、現金を200,000支払って、負債であるBond Payableが綺麗になくなる、というわけですね。

Kimaさん、いかがでしょうか?
私たちの解法差異が、ISSUER側かINVESTOR側かの違いによるものであり、計算方法のロジックそのものは同じであることが上記で説明できているでしょうか?

また、ご不明な点などありましたらご連絡下さい。

Please feel free to contact me when you have any further question.
( ↑ SIMのWCのエンディングの真似;笑)

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

いかがでしょうか。同じことを、表・裏から見ているだけで、本質は同じであることがご理解いただけたと思います。 こうして、ひとつの事象を両面から説明できることがこのトピックでは大切だともいえるかもしれません。「Discountがうんたらかんたらで・・・」っていう話になってきたら[
「これはIssuerサイドの話かな」と自然と思えたり、「あれ、Discountとかいいながら、この問題、Investorサイドの仕訳聞いてきてるな。なかなかやるな」と思えたり、一段高いところからその問題を見ることができます。

そんな高いところから見るなんて無理、と言っている間は、「あれ、Investorサイドの仕訳の時って、Discountどうするんやったかな?」と、おかしなことで毎回迷います。

これらは皆、暗記ではなくて理解です。一度理解できると、後日、サッとノートを見直すだけで、記憶が蘇ります。暗記一辺倒だと、ノートを見直すたびに暗記をしなおす賽の河原状態になります。

・・・なんていいながら、来週の会社の試験に備えて一夜漬け暗記を続けるnnです (T▽T)


~NOTES/注記~
(注1)
この問題では、On April 1, 20x1, Saxe, Inc. purchased $200,000 face value, 9 % US Treasury notes for $ 198,500, including accrued interest of $4,500となっています。元本200,000で9%で経過利息が4500ということは、発行日から3ヶ月が経過したということですね。上記の解説では簡素化して4月1日に証券が発行されたような書き方をしましたが、実際には、証券の発行日はこの年の1月1日ということになります。この経過利息の処理の仕方もポイントでしたね。
ピンと来ない方は、下記の日記がご参考になるかもしれません。

質問回答コーナー: BONDのDISCOUNTの正体
http://nn77.exblog.jp/d2007-09-19

BONDのDiscount の正体続編
http://nn77.exblog.jp/d2007-09-20


(注2)
この問題ではStraight-Line Methodで解いていますが、主流はEffective-Interest Methodです。Effective Interest Methodの考え方はリース会計にも通じる重要な考え方なので、是非、押さえておくことをお薦めいたします。

(注3)
あえてBondの残高とは書かずに「B/P-Discount」という書き方をしたのは、ご存知の通り、BSのLiabilitiesの欄で、B/P自体は常に額面で表示されているからです。そして同じ場所(つまり負債の欄)にPremiumやDiscountも併記されてNetの金額がBook Valueとして表示される、という具合です。例えば、私が今、Anjoのテキスト巻末のサンプルB/Sをみると、右側のLiabilitiesの欄に・・・
Noncurrent Liabilities:
Notes payable due after 2002 xxx
Plus unamortized note premium xxx $ XXX (←NetのB/V)

Long-term Bonds:
10% debentures due 2013 xxx
Less unamortized discounts net of premiums xxx $ XXX (←Net のB/V)

以前、何かの問題集でBondがPremiumやDiscountsとどのようにB/Sで表示されるか、を問うmultiple choice questionに遭遇した記憶がありますので、記載しておきました。
by nn_77 | 2008-05-06 16:12 | >FARE